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ホームページ制作業をはじめて、まもなく20年が経とうとしています。
案件数も累計3000件を超え、その中には当然事故もありますね。
この記事は以下の方に参考になりそうです。
- ドメイン管理指定事業者に連絡が繋がらず転出できない
- レンタルサーバー会社に連絡が繋がらずドメインの転出ができない
- ホームページ制作会社に連絡が繋がらず転出できない 、どのレジストラと契約しているのかわからずドメインの再利用ができない
ドメインを管理する指定事業者に連絡がつかない!
JPを管理する指定事業者とは「ドメイン名登録申請やDNS登録申請などの取り次ぎを行う事業者」を意味します。JPドメインは株式会社日本レジストリサービス (以下、JPRS)が管理しており、JPRSの窓口の代理店業務を行っているのが「指定事業者」というわけです。
よくレンタルサーバー運営会社がJPRS社の指定事業者になり、ドメイン取得とサーバーの販売を行われています。GMOインターネット社が運営する「お名前ドットコム」が有名ですよね。
しかしながらインターネット黎明期にはたくさんの業者がJPRSの指定事業者となり、サーバーの販売を行ってきましたが、月日が立ち、すべての指定事業者が未だ健全経営というわけではなさそうです。
先日、弊社にてホームページのリニューアルをしたいというお客様「A社」がおられました。
そこで、ドメインの指定事業者でもあるレンタルサーバー会社「B社」に、移設のために解約をお願いしたところ、いくら待っても返答がありません。
一体何が起こっていたのでしょうか?
事業者は倒産?
B社のホームページを見たところ、一見、お問合せフォームなども稼働はしており、運営をしているように見えるのですが、新規契約ボタンを押すと、「現在新規の契約は停止しております」のメッセージ。
ホームページの会社概要には電話番号・ファックス番号が書かれているのですが、電話を掛けようとすると、「この電話番号は現在使われておりません」のアナウンス。
ええー、どうするの?もう会社無いの?
もっと深く情報を調べてみると、ようやく見つかりました。目立たない深い階層に「事務所移転のお知らせ」。2019年のようです。
そのページにはFAX番号が変更になった旨が書かれていました。会社概要に書いとけよ!
しかしFAX番号を調べると、どうやら「コワーキングオフィス」の共通FAX番号であることがわかりました。
B社はどうやら事業縮小をしているようです。
FAXを送っても無駄でしょうが、念の為「困ってます」と大きく書いたA社と弊社連名のFAXを送ります。
1ヶ月近く無視、最後の手段はJPRSに直訴
JPRSは一般のドメイン利用者からの問い合わせも受け付けてくれるようです。お問い合わせ窓口より、指定事業者のB社より連絡が無いこと、ドメインの権利について変更ができるかを伺いました。すると翌日には下記の返答をいただきました。
お問合せいただきましてありがとうございます。
ドメイン名「____________.JP」につきまして、○月○日に指定事業者変更の申請がされていることを確認いたしました。
当社より、B社様へ適切に対応するようにご連絡いたしますので、対応までもうしばらくお待ち頂くようお願いいたします。
なお、登録者様にご連絡がなく申請が”不承認”となった場合は、恐れ入りますが当社へご連絡して頂くようお願いいたします。
どうやらJPRSがB社に連絡をしてくれたようです!
そこから3日ほど経つと、無事に転出と弊社が利用するレジストラにドメインの移管が完了しました。
さすが親分、頼りになります!
過去に同様の事故があったため、感謝のメールを送りついでに少しだけ深く聞いてみたのですが、
単純に連絡がつかない場合のみでしたら、問題ございませんが、ご登録者様と 指定事業者との契約内容などに基づき、希望する申請が行えない場合には、 連絡をお取次ぎしても希望の申請ができない場合がございますのでご注意くだ さい。
.jpドメインが転出できない時のまとめ
ということで、A社B社間の契約が優先であり、B社が正しく業務を遂行している場合については、やはり当事者同士で解決が必要のようです。
レンタルサーバー会社も価格競争が起こりやすく、小さな会社は辛い時代かもしれません。
しかし、契約者自身(今回はA社)がレンタルサーバー会社の健全性を調べることも、自己防衛のためには必要です。
そしてJPRS社から「ドメイン名の登録情報は常に最新としていただかないとお願いの取り次ぎが行えない場合がございます。」とのことですので、もしもの時のためにドメインに関わる情報、連絡先などは常に最新のものにしておきましょう。
JPRSさん、ありがとうございました!