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last update 99.8.27



1989年
先輩方の、演劇では飯は食えないと言うアドバイスも聞かず、神戸大学演劇研究会に在籍していた僕(腹筋善之介)と、西田シャトナーが中心に“惑星ピスタチオ”を結成。劇団名に“惑星”を付け、宇宙一(うちゅういち)の劇団になれるかもしれないと、本気で思う。旗揚げ公演までの1年間、街頭パフォーマンスなどをして宇宙一になるための準備期間を過ごす。

1990年
正月、旗揚げ公演を行う。劇場側の人達に、正月まで働かすのかという目で観られつつも、「イキのいい劇団」と言うレベルで話題にはなる。中でも、僕(座長・腹筋善之介)の「パワーマイム」と呼ぶ独特のライブ・パフォーマンスが、人間離れしたパワフルさと卓越した表現力で関西演劇界に旋風を巻き起こしたようであるが、宇宙まで旋風を巻き起こすことはできず、僕達が宇宙一の劇団まで程遠いことにはっきりと思い知らされ、愕然となる。

1992年
西田シャトナーが、戯曲『熱闘!! 飛龍小学校』でテアトロ・イン・キャビン戯曲賞佳作を受賞。初めてのエンターテイメント系劇団の受賞として話題になったようであるが、日本人に賞をもらうようでは、宇宙一の劇団になるまでやっぱり程遠いということに気付いた劇団員は、本気で宇宙一を目指すその本気さについて、本気で考える。

1993年
近未来スポーツ・アクション『破壊ランナー』で、初の東京公演を敢行。仙人が1人来たら千人、2人でも来たら2千人になると考え、仙人がせめて10人来るように願うもかなわず、東京での動員は380人。一部演劇人の間では「核融合したようなエネルギー!」との噂になったようであるが、核融合ごときでは、太陽にもかなわないと自侮。宇宙一にはやはり程遠い。

1994年
『白血球ライダーDX』が、パルテノン多摩演劇フェスティバルで最優秀賞を受賞。他に5つの演劇フェスティバルに参加、このままアメリカのアカデミー賞を取れば、どエライことになるぞと予感するも当たらず。東京観客動員は、初登場から1年間でほぼ9倍に達したが、仙人に換算すると4人にも満たないので、観客動員とは一体何なのかを本気で考え、10万人動員計画を練り始める。

1995年
10万人動員計画にもとづき、大劇場への進出を本格化。東京では、新宿・シアターアプル、大阪はシアター・ドラマシティで『ナイフ』を上演。観客動員数は9700人に達するが、1万5千人ぐらい見込んで劇場日程を組んでいたので、客席のスカスカ感に悩む。そして再来年、東京ドームと大阪日生球場を押さえるかどうかでも悩む。

1996年
女優だけの4人芝居『ホントに?』、全編ロボットマイムで演じた『ロボ・ロボ』、僕(腹筋善之介)の超一人芝居『ファントム』、耽美派作品『レコンキスタ』など様々な形態の公演を行う。'96年5作目にあたる『Believe』では全47ステージの初ロングラン公演に挑んだが、やはり10万人には及ばず、焦燥感のみが残る年となるんじゃないかと焦り、忘年会などして落ち着く。

1997年
『熱闘!! 飛龍小学校☆パワード』を上演。再演の常識を覆えすためにも、西田シャトナーは、ニューキャラクターやニューエピソード、ニュー演出を無尽蔵に投入、役者達もニュー演技、ニューランドセル作り(全員小学生役)、ニューetc,などにチャレンジするも、観客動員数は18000人。東京ドームと大阪日生球場を押さえてなくてよかったものの、10万人動員計画が宙に浮いた状態になる。これからどうするか、計画を練り直し、その練り直し作戦の作戦を始動させることにする。作品的には、よりDeepでよりソリッドなピスタチオワールドを確立出来たんではないかと自分達が考えている『WORLD』が、九州と、北海道に呼ばれる。九州で博多ラーメン、北海道で死ぬ程カニを食べることができるのではないかと考え、公演をしに行くことに一致する。

1998年
4月から6月にかけて、『大切なバカンス』をロングラン上演。全員全役という前代未聞の表現法に挑み、惑星ピスタチオを見慣れた観客にまで大きな衝撃を与えたようだが、自分達も相当面喰らう。秋の『ナイフ』では、役者が6人全員が2時間舞台から引っ込まないと言う超ハードな公演を行う。(四国の高知公演も行い、鰹のたたきを死ぬ程食べる)徐々に、今までの計画の無計画さや、作戦の無作戦さに気付き、宇宙一の劇団など目指す志しの低さを恥じ、改めて四次元一(よじげんいち)を目指す劇団ということにする。

1999年
 2月。大阪梅田の新劇場「HEP HALL」のオープニングイベントに趣味のライブ、シークレットライブとして『惑星ピスタチオ★ショートカッツVol.1』を打つ。ショートコントや、芝居、芝居の予告編など盛りだくさんであったが、特に楽器の演奏を、初めて舞台で披露する。お客さんに、本当に演奏を楽しんでいると褒められ、改めて自分たちの演奏のレベルの低さを思い知る。そして劇団員全員、多岐にわたる趣味を急に持つようになる(四次的な広がりをみせる公演となる)。
 4月から7月。『破壊ランナー』では、淀川沿いで2時間半走り続けながら台本読みをするなどの野外練習を取り入れる。通行人のほとんどが、何をしているのか物凄く興味をもちながら通行しているが誰一人、四次元一を目指した練習だと気付かない。本番は、ほぼ2時間舞台に出っぱなし、走りっぱなしで、肉体的にも精神的にもピスタチオ史上最大に自らを追い込む。が、これぐらいで追い込まれる事に深く反省する。
 8月。『白血球ライダー2000』の練習も淀川沿いでする。アクションシーンのために拳法や、香港映画のワイヤーアクション(軽々と空を飛んだり跳ねたりしているように見えるやつ)を、ワイヤーなしでも出来るよう練習。通行人はやはり、四次元一を目指していると気付かない。その証拠に淀川沿い公園の管理事務所から、なにをしているのか再三聞かれる。自分たちの本気のチャレンジに、気付かないのも、また気付かれないのも嘆かわしく思い、さらに激しい練習へと自分たちを駆り立てる。


(text by Fukkin Zen-nosuke)